FLOWERS in my LIFE

毎日の暮らしの中にあるトキメキ、今日も見つけよう!~お家が大好きな主婦による、ごく普通の毎日を綴るブログです。

『家なき娘(上)(下)』あらすじ

わたしがお勧めする児童文学を紹介します。(あらすじはネタバレなし)

 第8回 『家なき娘』 作₌エクトール・マロ

【主な登場人物】

ペリーヌ(オーレリー):聡明で優しいヒロイン。父と母を旅の途中で亡くし、一人   で父の故郷へ向かう。名前をオーレリーに変え、素性を明かせないままヴィルフランの工場で働くことになる。一人で大小の困難に挑むことになるが、その知恵と生活力で果敢に立ち向かう。

ペリーヌの母:ペリーヌに最後まで愛を注ぎ、ペリーヌに祖父に会いに行くように伝え、病気で息を引き取る。

ヴィルフラン:ペリーヌの祖父。工場の経営者。勘当した息子が亡くなったとは知らず、探している。気難しいが経営者としては優秀である。

ロザリー:工場で働く少女。初めてのペリーヌの友達。ペリーヌがヴィルフランの孫娘とは知らず、工場で働けるように口利きをしてくれる。

テオドール:ヴィルフランの甥。財産をねらう。

カジミールヴィルフランの甥。財産をねらう。

タルエル:工場長。ヴィルフランの亡き後、工場を自分の物にするためヴィルフランに取り入っている。

パリカール:ペリーヌのロバ。お金の為に手放す。

 

 

【あらすじ】

旅の途中で両親を亡くしたペリーヌは、母の遺言で父の故郷へ一人向かいます。途中で力尽きそうになるも、助けられ何とかマロクールへ辿り着きました。マロクールには大きな紡績工場があり、そこの経営者こそ、ペリーヌの祖父でした。道で出会った少女ロザリーに名前を聞かれ、ペリーヌはとっさに「オーレリー」と名乗り、素性を隠して祖父ヴィルフランの工場で働くことになります。

ヴィルフランは年を取り、目が見えなくなっていました。ペリーヌは英語が話せることから通訳に抜擢され、次第にヴィルフランの信頼を得ますが、ヴィルフランが亡き息子のエドモンを探している事を知るのでした…

 

【本の詳細と感想】

家なき子』で有名なマロですが、その『家なき子』の最終章を読み返したとき、ペリーヌの物語の構想を得たそうです。日本語では『家なき娘』という題ですが、原題はフランス語で"En Famille"(家族)という全く逆の意味になっています。マロが書きたかったものの中に、労働者と経営者の理想的な関係があるそうです。物語の後半で、ペリーヌをきっかけとしてマロの考える理想郷が描かれ始めます。

 

物語の前半は、ペリーヌが父を亡くし、母も亡くし、たった一人でマロクールの街へ向かう苦労が描かれ、胸が痛くなるほどです。ペリーヌはマロクールで住む場所に困り、偶然見つけた狩猟小屋に一人で住むことにします。ナイフ一本で生活に必要な道具を次々に創り出していくペリーヌの賢さ、生活力の高さには驚いてしまいます。

工場の中は、ヴィルフランの莫大な財産をめぐる思惑がうごめいています。それを知りながらも、年老いた体に不平もこぼさず淡々と仕事をこなしていくヴィルフランと、祖父を一心に信じ周りの思惑に惑わされず仕事をするペリーヌは、どことなく似ているようにも思えます。

最後は素晴らしい希望に満ちた終わり方です。ヴィルフランの眼も手術が成功し、パリカールも帰って来ます。そしてこれから理想の労働環境を作り上げる…というところで幕が下ります。

かなり昔になりますが、『世界名作劇場』のアニメシリーズで『ペリーヌ物語』という名前で放送されたことがあります。アニメはきちんと見たことがないのですが、家族や友情のお話が中心になっているようです。ご興味のある方はぜひ。