FLOWERS in my LIFE

毎日の暮らしの中にあるトキメキ、今日も見つけよう!~お家が大好きな主婦による、ごく普通の毎日を綴るブログです。

優しい流産(8)~流産のあと~

~これは、私が妊娠してから自然流産するまでの記録です。悲しみとしてではなく、幸せな経験として、自分の心に優しさを運んでくれた経験として、流産の記録を書きます。~

 

流産が終わっても、痛みと出血はしばらく続きます。私は子宮収縮剤を1週間分処方されましたが、薬が嫌いなので飲みませんでした。自然に血が止まるのを待ち、だいたい10日くらいで収まりました。痛みは1週間くらいありました。痛み止めも飲まなかったので、3日間くらいは動くのに苦労しました。

体が元に戻るのは、1カ月以上かかります。出産と同じくらい体力を消耗すると、針灸の先生に言われました。私は酷い出血がなかったのですが、それでも体が冷たくなってしまい、針灸に3回通って回復しました。出血が収まるまでお風呂に入れませんので、足湯を勧められました。私の個人的な感想ですが、お休み出来る方は1カ月くらいゆっくりされた方が良いかと思います。その方が長引かないですし、体は大切にしないといけません。

 

病院から帰って、私は夫と遅めのお昼ご飯を食べ一まず落ち着きました。痛みの余韻をぼんやり感じながら、こたつに潜ってゆっくり眠りました。夜、ふっと、はっちゃんは今どこで何をしているのかが気になりました。

ちゃんとお空へ帰れたのかしら…苦しんでいないかしら…流産して、痛かったのではないのだろうか…

そんな思いに駆られました。そして心の中ではっちゃんに話しかけました。

「はっちゃん、今どこにいるの?痛くない?元気にしてるの?」

私はだるい体を起こして、こたつの向こう側で勉強している夫を眺めました。その時、私が付けたのか夫が点けたのか分からないのですが、テレビがパチンと点きました。そしてそこから歌が流れて来たのです。

♪心配ないからね 君の思いが 誰かに届く 明日がきっとある

愛は勝つ』という歌でした。いつもはそんな事をしない夫が、その歌をテレビに合わせて口ずさみながら体を揺らしました。

あー、そんなんだ。心配いらないんだ!

私ははっちゃんからのメッセージに心温まり、心から感謝しました。

きっと、あの子は大丈夫なんだ

ほっとした瞬間でした。

翌日、ゆっくり眠りながら私ははっちゃんの顔を見られなかった事を残念に思いました。夫と話す中で、多分はっちゃんは男の子だったと二人とも意見が一致していました。どんな顔をしていたんだろう、笑った顔が見てみたかったな、と思いました。そこでまたはっちゃんにお願いしてみました。

「はっちゃん、ママに元気にしているってわかる元気なお顔を見せてくれないかな。そしたら、ママは本当に安心出来るんだけどな。でもママはオバケとか怖いから、怖くない方法でお願いね。」

 

その日、夫が仕事から帰って来ると、私に向かってお土産を渡してくれました。

「食パンを買いに行ったら、パン屋さんが何故かパンをくれたんだ。そのパンが、すごく可愛いんだよ。」

私は夫の渡してくれたパンを見つめました。それは、にっこり笑った可愛いお顔のくまさんのパンでした。

「わあ、可愛いね!これははっちゃんの笑顔だね!」

「そっか、はっちゃんはこんな顔をしていたんだなあ。」

なんてのんきそうなお顔で笑っているくまさんでしょうか。はっちゃんはすごくしっかりとした子だと思っていたけれど、夫に似てのんきな所もあったのだなあ。そんな事を思いながら二人で仲良くそのくまさんのパンを食べ、私は心から満足したのでした。

 

流産した3日後、私は授業がありました。前日までまっすぐ歩けず、これでは授業が出来ないどうしようと思っていたのですが、水曜日の朝になると体がサッと動きました。何とか学校にたどり着き、教室に入った私を生徒たちのエネルギーが支えてくれました。私は教える仕事を愛していますし、日々楽しく感謝していますが、この時改めて先生というお仕事の素晴らしさを感じる事が出来ました。よろよろしている私を、生徒が四方八方から包んで支えてくれているような感覚がありました。実際にはいつもと同じ、やかましい教室でしたけれど。でも、目には見えない子どもたちの力が、私を助けてくれました。

私は授業が終わるとまた腹痛で、帰り道はいつもの倍の時間をかけて帰りました。でも誰にも迷惑をかけずに済み、ほっとして学校を出た時、空に素晴らしい景色が広がっていました。何だかはっちゃんが笑っている気がしました。

 

次に生まれて来る時は、はっちゃんが一番幸せに育つ場所に生まれて来てほしい。それが私たちの所ではなかったとしても問題ではありません。私たちは、十分はっちゃんから幸せをもらいましたから。でも、いつかどこかでまた会えたらいいな。ね、はっちゃん!

そして私は、心豊かに、自分の人生を精一杯素晴らしいものに出来るような生き方をしたいと思います。それが最高のあの子への感謝になると思うのです。

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(おわり)