FLOWERS in my LIFE

毎日の暮らしの中にあるトキメキ、今日も見つけよう!~お家が大好きな主婦による、ごく普通の毎日を綴るブログです。

優しい流産(5)~流産の診断~

~これは、私が妊娠してから自然流産するまでの記録です。悲しみとしてではなく、幸せな経験として、自分の心に優しさを運んでくれた経験として、流産の記録を書きます。~

 

木曜日の朝、私は夫にいつものようにお弁当を作りました。希望が見えるように牛肉と桜でんぶで虹を作り、虹が出ているイラストを付けました。

「赤ちゃんをお守りください。どうか大丈夫でありますように!」

と祈りながら、午前中に病院へ向かいました。

 

「はなのさん、やっぱり聞こえていないです。」

内診を終えて、残念そうにカーテンをめくり、先生が顔を出して言いました。私はそのまま隣の診察室に案内され、次の先生の言葉を待ちました。

「自然に待つ方法もありますが、うちでは手術をお勧めしています。自宅で流産してしまうと出血がひどいので大変ですし、衛生的な面から見ても。手術自体は朝来ていただいてその日のうちに帰れるものです。今手術の日程を決められますか?」

私はやや朦朧としながら、頭を一生懸命に働かせました。

手術という言葉が自分の人生に登場したのが初めてだったので、どう考えて良いのかよくわかりませんでした。でも先生が手術と言っているのだから手術にした方がいいのだろうと思いました。

でも私は今、こんなぼーっとしている状態で日程を決めて良いのだろうか。仕事がある日は出来ないし…

 

とにかく夫に手術のことを伝えたい。と考えを何とかまとめ、

「家族に話したいので、今日は持ち帰っても良いでしょうか?」

と尋ねました。次回の診察は土曜日という事になり、その時もう一度お腹の様子を見て日取りを決めることになりました。最後に私はこの日の赤ちゃんの様子が気になり、胎嚢の大きさを聞いてみました。前回より、少し大きくなっていました。

「成長はしているんですね。」

「これはおそらく成長ではなく、むくみと考えられます。」

先生の言葉に、私はがつんと叩かれたような衝撃を受けました。やっとの思いで病院を出てエレベーターで下に降りたところで私はこらえきれなくて泣いてしまいました。エレベターの脇の端っこに立って、涙がぽろぽろ出るのを止めもしないで泣きました。

赤ちゃんが、お腹の中で死んでしまったんだ…死んでむくんでいるんだ…

あまりにも切ない気持ちでした。私は夫に連絡して、ぼんやりした頭で家に帰りました。

 

その日はよく晴れた日でした。家に帰って一まずわんわん泣いて顔を上げると、リビングが日に当たって、部屋中がきらきらと輝いて見えました。不思議な事に、何だかお風呂につかっているような、温かい優しい何かに包まれているような感じでした。

私は何をするでもなく、リビングでぼんやりと何かが自分を守ってくれているような感覚に身を任せていました。そのとき、なぜかとても幸せだと思いました。

自分は悪い母親だったかもしれない、でも、この子はこんなに優しく私を包んでくれるんだ…こんなに優しい方法で、私に何かを伝えようとしてくれているんだ…

と感じていました。そしてそれと同時に、温かかったお腹がだんだんと冷えていくのがわかりました。

ああ、嘘みたいだけど、私はこれから本当に流産するんだ…

温かい光の中で、私はぼんやりとこれから起こることを認識し始めていました。

 

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(この日、お昼に流産の報告をすると、夫はこのイラストをお守りとして仕事場の机に飾ってくれました。)